動悸
動悸(どうき)とは心臓の拍動が自分で感じられる状態です。
恋かも知れません。恋は老若男女どなたにも可能性があります。しかし、身に覚えが全くなければ、ご病気の可能性がありますので、受診をお勧めします。
「心臓がドキドキする」などと表現されますが、必ずしも心拍数が上昇しているわけではありません。むしろ除脈(脈が1分間に60回未満)の時にも生じることがあります。実際に1分間に100回以上の心拍数が計測される場合は頻脈とされ、病的なものとして扱われます。
動悸は「必要な心拍数と実際の心拍数の解離がみられる状態で生じる心臓の拍動が、自分で感じられる状態」とも言えます。
動悸を起こす疾患は多岐におよび循環器疾患ならばどんなものでも起こり得ますが、循環器疾患以外でも起こり得ます。
動悸を起こす主な疾患
分類 |
疾患 |
心疾患 |
虚血性心疾患、不整脈など |
肺疾患 |
COPD(慢性閉塞性肺疾患)、呼吸不全等 |
消化器疾患 |
消化管出血による貧血など |
血液疾患 |
貧血など |
内分泌代謝性疾患 |
甲状腺機能亢進症・低下症、褐色細胞腫 |
感染症 |
敗血症、発熱 |
中毒 |
アルコール、テオフィリン中毒など |
アレルギー |
アナフィラキシーなど |
薬物性 |
アルコール、抗コリン薬など |
神経原性 |
自律神経失調症など |
精神疾患 |
パニック障害、うつ病など |
その他 |
脱水、低酸素血症 |
来院されたら
原因を調べるために、問診、身体診察、心電図、血液検査、X線撮影検査などを必要に応じてします。
できれば、動悸がいつ起こったか、安静時か動いている時・運動している時に出現したのか、誘因はあるのか、頻度、持続時間を教えてください。覚えている範囲・分かる範囲で結構です。
既往歴(今まで通院した病気や入院した病気)があればお教えください。ご家族の心臓病や突然死のエピソード、お仕事のこと、スポーツ歴、喫煙・飲酒歴、アレルギーの有無等、差し支えない範囲でお教え下さい。診断に役立つことがあります。
参考
ウイキペディア 動悸
日本医師会雑誌 第138巻・特別号(2)高齢者診療マニュアル