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頚椎の疾患

 頚の疾患は以下のようにたくさんあります。当てはまる症状がある時は、自己診断ではなく受診をして医師の診断を受けましょう。「心配ないです。何でもないですよ、大丈夫。」と医師に確認してもらうことも大切ですし、安心ですね。必要があれば治療を受けることをお勧めします。

外傷性頚部症候群

 頚椎捻挫(けいついねんざ)とも言います。俗称で、むち打ち症(鞭打ち症、むちうち症)と呼ばれています。原因は自動車事故が多く、労働災害、ラグビー・サッカー等のスポーツ障害によって起こり得ます。

 靭帯(じんたい)や関節包、筋肉などの障害のため、外見上あるいはX線検査では、異常や変化が認められないことが多いです。 

 事故の当日は症状がほとんど出ず、翌日以後から様々な症状が出現することがあります。例えば、頚・肩・肩甲部や背部の凝りや痛み、耳鳴り・頭痛・めまい・吐き気・食欲不振などです。医学的に器質的変化を認めることは多くありません。

 頸肩腕症候群 頚部痛・頚肩の痛み、凝りの原因になります。パソコンでの事務作業や、長時間下を向いての作業を長時間する人に多いです。

頚椎椎間板ヘルニア

 20~50歳代に多く、急激な頚・肩・腕の痛みで発症します。

 神経根の圧迫、あるいは頚髄の圧迫、または両者の圧迫の症状が生じます。 症状は、頚や肩、腕に痛みやしびれが出たり、箸が使いにくくなったり、ボタンがかけづらくなったりします。 また、足のもつれ、歩行障害が出ることもあります。

変形性頸椎症

 50から70歳代に多いです。頚・肩・腕の痛みやしびれから始まり、箸が使いづらくなったり、ボタンを掛けにくくなったり(手指の巧緻機能障害)などが徐々に起こります。

寝違え

朝起きた時に頚が激痛で動かせなくなります。自然に軽快することがほとんどです。頚椎椎間板ヘルニアと見分けることが必要です。

頚椎後縦靭帯骨化症

 頚椎後方の後縦靭帯が骨化(石灰化)して、脊柱管が狭くなることで脊髄圧迫症状を起こします。頚・肩・腕の痛みやしびれ、筋力の低下等の症状です。

リウマチ性脊椎炎

関節リウマチに伴う頚椎病変です。頚を動かすと音がする、という患者様もいます。環軸椎亜脱臼の有無を確認します。

胸郭出口症候群

20代から30歳代のなで肩の女性に多く発症します。上肢を体の外側の方向で挙げる(外転)と、上肢のしびれや冷感等の近く異常があります。

転移性腫瘍

頚肩腕の痛みやしびれが持続したり、一般的な治療をしても改善しない時に疑います。肺癌や消化器癌からの転移もあります。

炎症性斜頸

幼児が上気道炎にかかった後になります。痛くて頚を回せなくなります。

その他

頚髄腫瘍、脊髄空洞症、頚椎結核、化膿性脊椎炎、強直性脊椎炎、破壊性脊椎関節症(透析患者にみられる)、頚椎奇形

 

診察では必要に応じて、頚を後方や斜め後方に反らすことで腕や手に痛みやしびれが出るか確認したり、上下肢の感覚障害や筋力低下、腱反射の異常などがないかを確認します。 頚椎のX線検査やCT,MRI検査を必要に応じて実施します。

治療

 一般的に痛みが強い時期には、頚の安静保持を心掛けます。また、消炎鎮痛剤の内服薬や外用薬の処方や、神経ブロックなどで痛みを和らげます。  

 リハビリとしては、症状に応じて頚椎の牽引療法・干渉波などの物理療法を行ったり、運動療法(姿勢の指導、ストレッチや筋力トレーニング)を行ったりします。

 これらの方法で症状の改善がない場合や筋力低下が持続する場合、歩行障害・排尿障害などを伴う場合は手術療法を検討・ご相談します。

参考文献

標準整形外科学 第12版 医学書院

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